2025/10/29

「棚卸し」と聞くと、「年末の在庫確認」「手間のかかる作業」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実際、ECや通販事業を運営している企業の中には、「在庫数が合わない」「棚卸しのたびに業務が止まる」「どの方法が正しいのかわからない」といった悩みを抱えるケースが少なくありません。
棚卸しは、単なる在庫確認ではなく、正確な経営判断を支える重要な業務です。
この記事では、「棚卸しとは何か」から目的・種類・効率化のポイントをわかりやすく解説します。

棚卸しとは、倉庫などに保管されている「在庫の数量や状態を実際に確認する作業」です。
これは、帳簿上の在庫(システム上のデータ)と、実際に保管している在庫(実在庫)を照合し、差異をなくすために行われます。
会計上は、棚卸しで確認した在庫が「資産」として計上されるため、企業の財務状況を正確に把握するうえでも欠かせません。
また、在庫過多や欠品といったリスクを防ぎ、販売機会の損失を抑える役割も果たします。
つまり棚卸しは、「経営管理」「在庫最適化」「顧客満足」の3つを支える重要な仕組みなのです。

棚卸しで算出された在庫は、決算書における「棚卸資産」として反映されます。
実在庫と帳簿在庫が一致していないと、利益や原価の算定に誤りが生じ、経営判断を誤る原因にもなります。
日々の出荷・入庫の中で、誤出荷や入力ミスなどにより在庫数のズレが生じることがあります。
棚卸しを定期的に行うことで、こうした「在庫差異」を早期に発見し、原因を追究することができます。
棚卸しによって在庫の動きを可視化すると、「売れ残り」「滞留品」の発生原因が見えてきます。
その結果、仕入れや販売計画の見直しにつながり、倉庫コスト削減やキャッシュフローの改善にも役立ちます。

棚卸しの実施方法には、「一斉棚卸」と「循環棚卸」の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、自社の規模や運用体制に合った方法を選ぶことが、効率的な在庫管理の第一歩になります。
一斉棚卸とは、決算前などに全在庫を一括で確認する方法です。
会計処理に必要な在庫数を正確に把握できるため、最も一般的な棚卸し手法といえます。
ただし、一斉棚卸を行う際は出荷や入庫を一時的に止める必要があり、通常業務への影響が大きくなります。
また、短期間で大量の商品を確認するため、作業ミスや人手不足が課題になるケースも多いでしょう。
そのため、一斉棚卸は「精度重視」型の方法といえます。
循環棚卸とは、通常業務を行いながら、特定のエリアやSKU(在庫単位)ごとに定期的に確認していく方法です。
一部の在庫を小分けで確認するため、業務を止めずに棚卸しが行える点が大きなメリットです。
リアルタイムで在庫の精度を維持できるため、ECや多店舗展開のように在庫変動が激しいビジネスに向いています。
日常的に在庫差異を修正できるので、「棚卸し=年1回の大仕事」という負担を減らすことができます。
循環棚卸は、「スピードと継続性を重視する運用型の棚卸し」といえます。

棚卸しは正確性が求められる一方で、人手・時間・コストがかかる業務でもあります。
ここでは、棚卸しを効率化するための具体的な方法を紹介します。
近年では、バーコードやハンディターミナルを使って棚卸しを行う企業が増えています。
商品のバーコードをスキャンすることで、数量確認をデジタル化し、人為的ミスを削減できます。
さらに、バーコードデータをシステムと連携すれば、集計作業を自動化できるため、作業時間の短縮と同時に精度向上を実現できます。
当社でもバーコード検品を標準化しており、出荷・入庫時のデータをそのまま棚卸しに活用。在庫数のズレを未然に防ぐ体制を構築しています。
棚卸しの効率化には、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)の導入も効果的です。
WMSを活用すれば、入出庫や移動データをリアルタイムで反映できるため、「今、倉庫に何が何個あるのか」を即座に確認できます。
システムによる在庫照合により、棚卸しの準備・集計・差異修正までをスムーズに行うことが可能です。
データの透明性が高まることで、社内の在庫共有や経営判断にもプラスの影響を与えます。

当社では、棚卸しを含む在庫管理・発送代行・3PL(物流一括請負)サービスを提供しています。
日常の入出庫データをWMSで一元管理し、定期棚卸しも実施しています。
さらに、出荷・入庫の際はバーコード検品を行い、在庫の正確性と透明性を確保しています。
棚卸しを含めた在庫管理のプロセスを外部委託することで、担当者の負担を軽減しつつ、正確・効率的な物流体制を実現できます。
・複数モール・サイトの在庫をまとめて管理したい
・自社出荷の棚卸しに時間がかかり、業務が止まる
・棚卸しミスや在庫差異が多く、原因が特定できない
・越境ECなど販路拡大で物流負荷が増えている
こうした課題を感じている企業こそ、棚卸し・在庫管理を外部の専門チームに任せる価値があります。
当社では、事業規模や商材特性に合わせた最適な棚卸しサイクルを提案し、日々の出荷業務と両立できる仕組みづくりをサポートします。
棚卸しは「面倒な作業」ではなく、在庫の健全性を保ち、経営を安定させるための重要なプロセスです。
正確な在庫把握ができれば、販売機会損失を防ぎ、顧客満足度向上にもつながります。
もし「棚卸しに手間がかかっている」「在庫が合わない」といった課題を感じている場合は、
ぜひ一度、私たちの物流サービスをご検討ください。
当社では、在庫管理・棚卸し・発送代行をワンストップでサポート!
WMSと連携することで、正確で信頼性の高い在庫管理を実現します。
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