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EC物流代行とは?具体的な業務内容やメリット・デメリットを徹底解説

物流コラム

2023/09/25

 

利便性の高さや手軽さからECサイトの需要と利用者は増え続けています。
ECサイトでの売上拡大にともない、商品の発送作業や運営に課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。EC物流代行サービスを利用し、物流業務をアウトソーシングすることは、顧客の満足度向上と事業の拡大を実現する選択肢のひとつといえます。
この記事では、EC物流代行サービスの内容をはじめ、物流業務をアウトソーシングする際のメリット・デメリット、さらに自社に合った委託先の選び方をご紹介します。

こんな方におすすめ!
■自社内での出荷作業をしているが、人手が足りない
■物流業務を委託したいが、何をしてもらえるのか分からない
■物流業務を委託して得られるメリットを知りたい
■発送業務に手を取られ、コア業務に力を入れたいが時間がない

 


EC物流代行とは?

 

EC物流代行とは、ECサイトで販売する商品にまつわる物流業務を外部企業へアウトソーシング(委託)することです。

委託されたEC物流代行元がEC運営企業に代わり一連の発送業務を行います。

 


EC物流代行の具体的な業務内容

ECサイト利用者の増加に伴い、多くの物流企業がEC物流代行を物流サービスの一つとして提供しています。

物流企業によってサービス内容は様々ですが、基本的な業務内容を具体的にご紹介します。

1.入荷検品

2.商品の保管と在庫管理

3.送り状の発行

4.商品のピッキングと梱包

5.発送

 

それぞれ1つずつご紹介します。

①入荷検品
仕入れた商品は物流拠点となる倉庫へ納品されます。倉庫では届いた商品を荷受けし、商品が納品指示通りに納品されているか検品を行います。
商品の種類や個数が指示通りに納品されているか確認し、汚れや破損がないかもチェックします。

 

②商品の保管と在庫管理
指示通りに届いた商品は、商品の大きさや種類に合わせた最適な方法で保管します。小さい商品の場合は棚へ、洋服の場合はハンガーラックへ、大きな商品の場合はパレットへ乗せたまま大型の棚(ネステナ)で保管します。保管する時は、いつ、どの場所へ、どの商品を、いくつ保管したかわかるよう、格納した場所に割り振られる番号(ロケーション番号)と商品を紐付け、倉庫管理システム(WMS)へ記録をします。

 

③送り状の発行
商品をご注文いただいたお客様のデータをもとに、送り状の発行を行います。送り状とは、荷物の出荷先や出荷元が記載された伝票です。配送キャリアごとに定められている伝票へ宛先や氏名、連絡先、中身のほか、お届け指定日などの情報を印字し、送り状を作成します。

 

④商品のピッキングと梱包
お客様から届く注文データをもとに指示書を作成します。指示書をもとに注文内容通りの商品を倉庫内でピッキングします。商品が複数ある場合は、倉庫内を効率よく移動し、全ての商品をピッキングします。ピッキングした商品は、破損しないよう適切に梱包し、送り状を貼り付けます。

 

⑤発送
出荷準備を終えた商品は、指定の配送業者へ引き渡され発送されます。
運送業者へ引き渡す際、地域ごとに仕分けした荷物を台車へ積みこむ作業や、発送データの作成など、集荷時間に引き渡すまでの工程が多く、準備に時間を要するため、発送作業には効率が求められます。

 


付帯サービス

 

基本的な物流代行サービスのほかに、付帯サービスを行っている物流企業もあります。

1.流通加工
2.ラッピング対応
3.返品対応
4.コールセンター業務
5.サンクスメールの配信

1つずつご紹介します。

 

①流通加工
流通加工は倉庫内で商品に付加価値をつけるために行う加工作業です。主な流通加工作業として、タグ付け、値札付け、商品の箱詰めやセット組み、ラベルやバーコードの貼り付け、袋詰めなどがあります。

 

②ラッピング対応
プレゼント用として購入された商品を包装紙などで美しく包装(ラッピング)する作業です。包装技術にくわえ包装紙とリボンの色合いなど、技術とセンスが問われます。また、荷主企業の通りに包装作業を行うサービスを提供している企業もあります。

 

③返品対応
商品を購入されたお客様から購入品の返品依頼があったときに発生する一連の対応です。お客様側の都合や、商品の不良によるものまで返品理由はさまざまです。返品の依頼があったときは商品を受け取り、検品を行い交換商品の手配や返金の手続きを行うなど、返品対応は想像以上の手間と時間がかかります。正確で迅速な対応を行うことができるノウハウが必要です。

 

④コールセンター業務
お客様からのお問合せをはじめ、サービスや商品のご案内を電話で行います。商品に関するお問い合わせだけでなく、発送に関するお問合せやクレームにも対応します。コールセンター業務は商品知識に加えて高いコミュニケーション力が求められます。また直接お客様と対応する業務のため、オペレーターの対応は企業イメージや顧客満足度へダイレクトに反映します。顧客満足度向上に欠かせないコールセンター業務は、品質・技術の両方が求められます。

 

⑤サンクスメールの配信
サンクスメールは、ご利用いただいたお客様に、お礼や発送の連絡を記載しお送りするメールです。開封率が高い傾向にあるため、お客様の知りたい情報を載せることで、リピート購入に繋がる重要なコミュニケーションツールです。ご注文後直後や発送後など、タイミングに応じて送ることでお客様の安心にもつながります。

 


EC物流の課題

 

お客様へ正確かつ迅速に商品を届けるために欠かせないEC物流業務ですが、多くの課題も発生しています。スピーディーな発送作業だけでなく、事務的な処理も多く発生するため、複雑な管理ノウハウが必要です。具体的な課題をご紹介します。

1.煩雑な在庫管理
サイト規模の拡大や出荷数の増加に伴い、取り扱う商品数が増える事で在庫管理も煩雑になります。食品の場合は商品に応じた賞味期限の管理が必須です。また人気商品の欠品はお客様の購買意欲の低下や売上の減少にダイレクトに反映します。売り逃しを防ぐためには、正確な在庫管理がかかせません。

 

2.保管と作業スペースの確保
取り扱う商品や出荷数の増加にともない、商品の保管場所や作業スペースの確保と拡大が必要です。物があふれ、整理整頓がされていない狭いスペースで作業を行うことは、作業ミスに直結します。狭い保管スペースでは商品の品質低下にくわえ、正しく個数の管理ができなくなるなど、大切な資産にも影響を及ぼします。

 

3.キャンセルなどの個別対応
購入後のキャンセルや、返品の依頼などお客様からのお問合せへ個別に対応します。ECショップはリアル店舗と違い、お客様と接点をもつことができるのは主にコールセンターなどの顧客対応窓口です。リピート購入にも繋がるため、丁寧で親切な対応が求められますが、対応に多くの時間を要します。限られた人数で出荷作業と顧客対応を行っている場合、対応がひっ迫しクレームに繋がる恐れがあります。

 

4.厳重な個人情報の取り扱い
ご注文頂いたお客様の氏名や住所など個人情報の管理は厳重に行う必要があります。個人情報の取り扱いは、データを取り扱うパソコンを決めておくことや、データまたは書類は決められた期間は保管を行い、保管期限後に削除もしくは廃棄をおこなうなど、様々な決まりがあります。流出を防ぐための対策や徹底したルール管理が求められます。

 

5.繁忙時期の対応
クリアランスセールやイベントの開催により急激に出荷数が増加する場合でも、リードタイムや作業品質を落とすことなく通常通りの対応が求められます。そのため物量の波動に対応できる人員体制と調整力が必要です。出荷作業量に見合った適正な人員配置を行い、無駄なコストを削減するためには運営管理ノウハウが必要です。

 


EC物流代行サービスを利用するメリット・デメリット

 

 

物流代行サービスの内容を理解し、自社の課題が解決できるサービスを選ぶことで、大きなメリットを得ることができます。
ここでEC物流代行サービスを利用することで得られるメリットとデメリットをご紹介します。

 


EC物流代行サービスを利用するメリット
1.正確な在庫管理ができる
売り逃しを防ぎ、事業を拡大するためには正確な在庫管理が必須です。
大切な商品を適切な保管方法で無駄なく保管することが非常に重要です。商品数が増えるにつれ、在庫管理は煩雑になります。商材や出荷頻度に合った倉庫管理システムを選び、システムに精通している物流代行サービスを利用することで、無駄のない正確な在庫管理を行うことができます。

 

2.物流コストの削減
商品を保管し、発送するまでに多くの物流コストがかかります。物流代行サービスを利用し、自社内ではなく商品を倉庫で保管してもらうことで、商品を保管していたスペースが空き、スペースの有効活用もしくは使用スペースを縮小することができ、コスト削減につながります。

 

3.物流品質の向上
多くの物流企業は作業量の繁閑に対応できる作業体制を整えています。急激に物量が増加しても発送遅延や商品を間違うことなく、正確でスピーディーな発送を行うことができます。
さらに、商品に合わせた適切な梱包ノウハウや包装技術をもっているため、一定したきれいな梱包を施し、商品をお客様へお届けすることができます。

 

4.セールやイベントの開催
作業キャパシティを気にすることなくセールやイベントを企画し、開催することができます。
定期的なセールに加え、キャンペーンなどのイベントを開催することは顧客との関係性を築き、売上の向上につながります。物流業務を委託することで、急な発送量の増加にも物流品質やリードタイムを落とすことなく対応してもらえるメリットがあります。

 

5.コア業務への時間を確保
作業人員の手配や、出荷の準備など物流業務にまつわる管理を全て任せることで、コア業務に専念する時間が産まれます。物流業務はプロへお任せし、出荷状況を気にすることなく、商品開発や顧客分析など事業拡大へ向けた取り組みに専念することができます。

 


EC物流代行サービスを利用するデメリット
1.顧客へ柔軟な対応ができない
お問合せに自社内で対応している場合、お客様から頂くご意見や要望に対し、柔軟な判断をもとに対応をすることができます。しかし、お問合せ対応もアウトソーシングする場合は、オペレーターが迷うことなく判断し対応ができるよう、お問合せ内容に対する判断基準を明確に決めておく必要があります。お客様対応へ費やす時間は削減できますが、判断基準を明確にすることにより、お客様に合わせた融通の利いた対応ができなくなります。

 

2.物流ノウハウを社内に蓄積できない
物流業務を滞りなく運営するためには、在庫管理技術や資材の調達、梱包の技術など多くのノウハウが必要です。物流業務を委託することで、管理面や発送準備などの手間を省くことができますが、ノウハウの蓄積ができません。物流業務の内製化を図る場合、社内のリソースがなく、準備や運営がスムーズに進まないことから、物流品質が低下することも予想されます。

 


EC物流代行サービスを選ぶ時のポイント

 

数あるEC物流代行サービスの中から、自社に合ったサービスを選ぶ際の重要なポイントをご紹介します。

1.在庫情報が共有できるか
倉庫で保管している在庫数をリアルタイムで共有できることは、売り逃しの防止や売上獲得に大きく繋がります。クラウド上で在庫を確認することができるサイトや在庫管理システムを利用し、自社に合った物流業務を展開することができるかどうかも重要なポイントになります。

 

2.販売促進活動への対応
ECサイトを運営するうえで最大の課題は、リピート購入率の向上といえます。お客様に継続してご購入頂くために、サンプル品や新商品のお知らせ・クーポンの同梱など、発送時にひと手間加える事も対策のひとつです。商品の梱包と発送だけでなく、サンプルやチラシを同梱する作業が行えるかどうかも、物流サービスを検討するうえで大切なポイントです。

 

3.返品対応
時間と手間を要する作業ですが、対応次第で今後のリピート購入やショップに対するイメージが左右されます。丁寧な対応が求められるため、これまで返品対応やお客様対応の実績がある物流企業を選ぶことも重要です。また、今後の商品開発やサービスに活かせるよう、返品理由や対応状況も共有してもらえるか確認しておくとよいでしょう。

 

4.ギフト対応
商品をギフトとして販売することは、お客様の利用用途の拡大につながり、売上の拡大も見込めます。
ギフト発送には、慶事や弔意に合わせた包装紙や熨斗など、技術にくわえ多くの知識が必要です。
また、流通加工が可能な企業であれば、ギフト用の商品を詰め合わせる作業から発送まで一貫して任せることができ、とても便利です。

 

5.個人情報の管理体制
お客様の個人情報を適切に管理する環境が整っているかどうか必ず確認が必要です。送り状の作成を含め、日々膨大な量の個人情報を扱うため、適正に管理ができる物流企業を選びましょう。
個人情報保護体制の基準への適合性を評価された企業のみが取得できる「プライバシーマーク(Pマーク)」を取得している企業がおすすめです。

 

6.物量の波動対応
セールやイベントを開催することにより、物量は急激に増加します。さらに、物量の増加に伴い、お問合せ対応や包装などの付帯作業も増え、対応事項も増加します。物量の波動がある場合にも、リードタイムや品質を落とすことなく対応ができる体制が整っているか確認しておきましょう。 繁閑に伴う物量の波動対応こそ、物流代行サービスを利用する最大のメリットともいえます。物流企業を選ぶ際には必ず確認しておきたいポイントです。

 


まとめ

 

 

EC物流代行サービスを利用して物流業務の効率化を図る
EC物流代行サービスと、サービスを導入するメリット・デメリット、さらにサービスの選び方についてご紹介しました。
EC物流代行サービスの導入を検討する際は、一度社内で抱えている物流課題を洗い出してみることをおすすめします。
自社の課題を把握したうえで、抱える課題を一緒に解決し、さらには売り上げの拡大に向けてサポートしてもらえる物流代行サービスを選ぶことが大切です。
上手く物流代行サービスを活用し、業務の効率化を図り事業の拡大へつなげましょう。

 


HMKロジサービスは、「オンリーワンの物流作り」をモットーに、お客様に合ったオリジナルの物流サービスをご提案しています。

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